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【安全対策基礎データ】 2014年07月25日

 安全対策基礎データ更新

2014年07月25日
 
● 犯罪発生状況、防犯対策
 
1 概況
 タイ警察が発表した2012年の犯罪統計によれば,殺人事件(未遂含む)が8,789件,傷害事件が13,422件,強姦事件が3,555件,強盗事件が408件,盗難事件等が45,560件発生しています。また,銃器不法所持事案では32,556人,薬物犯罪事案では400,494人が検挙されており,薬物や銃器の氾濫が殺人事件(未遂を含む)などの凶悪事件の多発の要因とも言われています。
 一方,タイにおいて日本人が巻き込まれる被害の圧倒的多数は窃盗,詐欺等であり,この数年間において日本人が殺人事件などの凶悪事案に巻き込まれる事例は少ない状況となっていますが,タイにおける凶悪事件発生率は,日本と比べても非常に高い水準で推移していますので,十分注意してください。
(参考1)【2012年のタイにおける邦人被害件数】(在タイ日本国大使館及び在チェンマイ日本国総領事館)
     ・殺人(未遂含む): 0件
     ・暴行・傷害   :10件
     ・窃盗,強盗,詐欺:308件
(参考2)【2012年の日本における犯罪認知件数】
     ・殺人(未遂含む) :1,030件
     ・強盗      :3,658件
     ・窃盗      :1,040,447件
 
2 日本人の被害例
 タイ国内,特に首都バンコクにおいて,若い旅行者を中心に,以下のような手口の犯罪被害に遭う例が多発しています。これらに共通するのは,タクシーや三輪タクシー(トゥクトゥク)等の運転手を含め,見知らぬ人物から声を掛けられたときや,安易に話に乗ったことが被害に遭うきっかけとなっています。見知らぬ人物から声を掛けられた際には十分警戒し,軽々しく信用しないことが肝要です。
 
(1)睡眠薬強盗
 有名な観光スポット等において,親しげに声を掛けられ,飲食(酒類,ソフトドリンク)を共にして気を許した頃に睡眠薬入りの飲み物を勧められ,知らずに飲んで意識が朦朧となったところで,現金やクレジットカード等を奪われるケースです。
中には,盗まれたクレジットカードを不正使用され,後刻,同カード会社より多額の請求を受けたというケースもあります。
また,最近では,バックパッカー風の若者が集まるカオサン通り,パタヤでは,親しくなった外国人(犯人グループ)と食事を伴にして,飲食物に薬物を混入され,意識が混濁しているうちに現金や所持品を奪われ,そのまま別の場所に運ばれ,路上に放置されたという事件も発生しています。
 
(2)いかさま賭博
 様々な手口で賭博に誘われ,金品をとられるケースです。
 例えば,「妹が日本に留学するので,日本の事情を話してあげてほしい。」等と親しげに話し掛けられ,自宅と称する建物に巧みに案内されます。家に着いても妹はおらず,暇つぶしにトランプゲーム(ブラックジャック)に誘われ,さらに,「上手な勝ち方(いかさま)を教える。まもなく金持ちのブルネイ人がブラックジャックをするために来るので,一緒にそいつからお金を巻き上げよう。」といかさま賭博に誘われるケースがあります。被害者が話に乗り,ゲームを始めると,最初は勝ち続けるものの,最後の勝負で多額の金額を賭けることとなります。ゲーム中,所持金では足りなくなることからクレジットカードで貴金属を購入して現金化し,莫大な金額を賭けるが,最終的に負けるか,又は勝ったところで,「続きは明日やろう。」等と言われます。そして賭け金や担保となる貴重品(時計,カメラ,パソコン及び携帯電話等)をその場に残すよう言いくるめられて,ホテルに送られるが,翌日の約束の時間になっても迎えに来ないといったケースもあります。(これらの手口は状況により変わることもあるようです。)
 
(3)見せ金詐欺 
中東系犯罪グループによる,通称,「見せ金詐欺」という手口による窃盗犯罪のケースです。昼夜を問わず,スクンビット界隈で発生しています。まず,声掛け役の犯人(主に男性)が,親しげに,「日本人ですか?今度,日本に行きます。1ドルは日本でいくら位ですか?その前に日本のお金見てみたい。OK?」等と英語と日本語を交ぜながら近づいて来ます。
つい,財布を渡してしまうと,相手が,「これが日本のお金ですか?」等と会話をしているうちに,その男性の知り合いと思われる別の男性が1,2人現れます。この男たちが,被害者の視界を遮った上で,財布からお金を抜きとり,最後に何事もなかったように「ありがとう。」と言って,財布を返します。被害者側は,暫くして財布の中身を確認してはじめてお札が数枚無くなっていることに気がつきます。
 
(4)宝石・洋服のキャッチセールス
 宝石・洋服のキャッチセールスは,タクシーの運転手が,有名な観光スポットである王宮や寺院等の周辺で,声を掛けるケースが殆どです。宝石店や洋服(オーダーメイドのスーツ等)店に連れて行かれ,店員から,「タイ北部で産出した貴重な宝石です。日本で高く売れます。」,「カシミア(タイシルク)100パーセントのスーツ(シャツ)です。」等強引に商品を売り込まれます。商品を購入(洋服であればオーダー)した後に,商品を冷静に調べると,粗悪品や自分の希望と異なる商品を購入したことに気がつきます。タイ警察は,このようなケースを,商取引上のトラブルとして扱うことが殆どであり,店側から返金を受けることが難しいのが実情です。つきましては,このようなキャッチセールスには乗らず,商品の購入の際は,慎重に検討した上で,信用のおける店舗で購入して下さい。なお,キャッチセールスを行う者はタイ人だけではなく,最近は,アジア系,白人系の外国人も増えてきています。
 
(5)わいせつ犯罪 
夜間,女性が一人でタクシーやバイクタクシーに乗車した際に,車内で運転手からけん銃やナイフなどの凶器で脅かされたり,わいせつ目的で連れ回されたりする事件が発生しています。また,旅先で親しくなった男性から突然わいせつ行為を受ける事案も発生しています。
強制わいせつ等の性犯罪は,プーケット,クラビ,パンガー島等のビーチリゾートで発生しており,女性旅行者が,被害者となるケースが多いと言われています。パンガー島に渡る船の中で女性旅行者を狙ったわいせつ行為や,ビーチボーイと呼ばれる海岸で働く若い男が砂浜で女性を物色し,マッサージや飲食物等サービス行為を行う際に,性的関係を強要するという事案があります。性犯罪の被害者は,被害を申告しないことが多く,性犯罪を潜在化させる原因にもなっていると言われます。また,地方ばかりではなく,バンコク都内でも発生しています。この他,最近はバンコク都内の電車内及び長距離鉄道内での痴漢行為も発生しています。
 
(6)集団スリ
 バンコク都内のデパート,駅等において,被害者がエスカレーターを利用した際に,スリ・グループが前後を挟み,エスカレーターの降り口の直前で,前方の者がつまずくふりをして,被害者が立ち止まるような状況をつくります。その後,後方の仲間が将棋倒しになって被害者に体を押しつけ,その際に被害者のポケットやウエストポーチ等から財布を抜きとるという手口です。なお,前後を挟む犯人グループは女性の場合もあります。
  また,バンコク都内を中心に,窃盗団によると思われる盗難事件が発生しています。窃盗団は,5人から10人位の人数で,チームワークが良く,役割分担が出来ており,リーダーを中心に,被害者を見つける役,見張り役,逃走を助ける役,受け取り役等がいるようです。代表的な手口 として,「実行役」が,口の中に小型の刃物を仕込んで,被害者に近づき,バック等を切り裂き,中から財布等金品を抜き取り,「受け取り役」に品物を手渡し,それぞれが連携して,犯行現場から立ち去ります。これらの犯罪は,有名寺院,王宮の周辺等で発生しています。外国人観光客が主な犯罪のターゲットになる傾向があります。
 
 
(7)スリ,置き引き,ニセ警官
 チャトチャック市場(ウイークエンド・マーケット)やデパート,ホテル,空港,バス等の混雑する場所において,バッグを切り裂かれ,中の貴重品を抜き取られる事件が発生しています。
 また,ホテルのビュッフェ形式のレストランやロビーにおいて,貴重品から目を離した隙に,バッグ等を盗まれる事件が発生しています。
タイ北部では,チェンマイ市内旧市街のワローロット市場,サンデーマーケット等混雑する場所において,スリや置き引きの被害が発生しています。
   中東又は西洋人風の男性(私服)が警察官を装って近づき,外国人の事件を捜査中であると言いつつ,持ち物を点検する際に,財布から現金を抜き取るという手口もあります。
 
(8)バイクを利用した犯罪及び路上強盗の手口
 ひったくりは,歩行中,バイクに乗った犯人が後ろから近づき,ハンドバッグ,ショルダーバッグ等を奪い取っていくものです。抵抗すると引き倒され,背後から刃物で刺される事件が発生しています。
 近年,バンコク都内を中心に,「デックウェン」と呼ばれる若者による暴走族が社会問題となっています。彼らの無軌道振りは,新聞等でも報道されています。夜間,バイクの爆音を響かせて走行し,強盗,殺人,恐喝,窃盗,薬物等の犯罪を敢行します。一般市民に対する犯罪を敢行する他に,デックウェン同士の抗争により,死者が出ることもあります。2013年12月,モーチットバス停付近で地元住民とデックウェンの抗争事件が発生し,同事案は,刃物,銃が使用され,死者が出ています。
路上強盗は,夜間,裏通りやひと気のない公園を歩いている際に,いきなり棒で殴られたり,ナイフで脅されて所持品を奪われたりするケースが報告されています。
 
(9)契約トラブル
業者との契約前に必要経費を事前に請求され,支払後に相手と連絡が取れなくなる等の契約トラブルや悪質な業者による航空券代金,偽査証の作成等のトラブルが発生しています。また,旅券の査証が真正でない場合に逮捕されることを避けるために,業者を通じて査証取得する場合は注意が必要です。
 
3 犯罪被害多発地域
 バンコク都内では,特に旅行者が集まる観光スポットや繁華街,デパート等大型商業施設周辺,若い単独旅行者が利用するゲストハウス(安宿)周辺において,犯罪が多発しています。
また,チェンマイ市内でも,旧市街を中心に犯罪が発生しています。特に都市部の歓楽街やスラム街等は十分な注意が必要であり,不用意に狭い路地へ入り込むことは危険です。
 
4 防犯対策・犯罪防止3ない用語「近づかない,慌てない,楽観視しない」
(1)「近づかない」
犯罪が発生する可能性のある場所に「近づかない」と言うことです。
タイ,特にバンコクにおいては,歓楽街や繁華街やスラム街が混在します。それらに近づかなければ,犯罪被害に遭う確率は格段に下がります。特に「夜間,近づかない」と覚えてください。
(2)「慌てない」
不幸にも犯罪が身に降りかかってきた場合の対処です。例えば,タクシー強盗などに金銭を強要された場合,慌てずに冷静に対処し,場合によっては,相手の要求に抵抗しないことが安全策であることがあります。
(3)「楽観視しない」
一般的に他の外国に比較して,「タイは安全,治安が良い」と言われていますが,市街地における発砲事件,爆発事件等が発生しています。「タイなら大丈夫,安全」と自分の中に勝手な安全基準を持って,タイの犯罪情勢を楽観視してはいけません。
(4)対処要領
 上記2(1)~(4)に関しては,見知らぬ者から声をかけられても安易に信用しないことで防止できます。また,他人から勧められた飲食物には気を付ける,買い物は信用のおける店を利用する,儲け話には乗らない等の注意が必要です。 
上記2(5)に関しては,女性が特に単独でタクシー等に乗車する際は,車番や運転手の名前を控える等慎重に対処してください。また,どんなに親切そうに見えても,安易に相手を信用しないことが肝要です。
 上記2(6)~(8)に関しては,バッグ等は体の前でしっかり持ち,現金・貴重品は分散して保管する,多額の現金は持ち歩かない,万一に備え,海外旅行保険等に加入しておく等の対策が重要です。
 上記2(9)に関しては,相手を容易に信用せず,公的書類を取り寄せるなどして先方の身元や背景を確認することが肝要です。先方の言動等に少しでも疑わしい点がある場合は,求めに応じて安易に支払うこと等はしないでください。
 
 
● 査証、出入国審査等
 
(手続きや規則に関する最新の情報については,駐日タイ大使館(03-5789-2433)や在大阪タイ総領事館(06-6262-9226)等に確認してください。)
 
1 観光目的で,タイから出国するための予約済み航空券を所持し,また,滞在期間中の資金を十分に所持していれば,通常,無査証(ビザなし)で入国(30日間の滞在許可)が認められます。
また,タイ入管当局は,外国人がタイに入国する際には,一定額の現金を所持しているべき旨規定しています(例:ビザ無しで一人で入国する場合は,10,000バーツ以上など)。
【参考】http://www.th.emb-japan.go.jp/jp/news/140612.htm
 
 30日以上の滞在を希望する場合及び観光以外の目的でタイに入国しようとする場合は,入国前に滞在目的に合致した査証を,在日タイ大使館等で取得する必要があります。
 入国手続が終わり,パスポートを受け取った際には,記載漏れ・誤記・入国印の有無等を確認してください(例:60日のツーリストビザを取得していたが,入国審査官が無査証と勘違いして30日の滞在許可しか出さなかった場合,その場で確認して訂正を受けておかないと,後日訂正を求めても受け付けてもらえません。)。
 なお,出入国審査時,入国管理局係官等に対して,大声を出して,侮辱的な言葉を発し,カウンターを叩く等の行為をした場合,タイ当局は,「入国拒否」,「身柄拘束」,「罰金」等の法的措置を執ることもありますので,ご注意下さい。
 
【無査証で入国される方へ】
 2014年4月現在,無査証で入国する日本人に対しては,空路,陸路とも1回30日間までの滞在に限り「査証(ビザ)免除」の基本ルールが適用されます。
但し,タイ政府は,2014年8月12日以降,外国人の入国に際して,陸路,空路を問わず滞在目的に合致したビザ(査証)を取得することなく,査証免除措置を使い出入国を繰り返し,事実上,長期滞在を行う者(所謂,ビザラン)に対する規制を厳格に適用するとしています。
タイに入国される方は,必要に応じて,その入国目的に合致したビザ(査証)を取得して下さい。
 
 
【長期滞在を予定して(査証を取得して)入国される方へ】
 長期滞在を予定される方は,事前に目的に合致した査証を取得して入国するようにしてください。査証は,日本やタイ周辺国にあるタイ大使館・総領事館で取得することができます。詳細についてはタイ入管当局で確認することか駐日タイ大使館のホームページ(http://www.thaiembassy.jp/rte1/index.php?option=com_content&view=article&id=60:2009-08-24-09-45-58&catid=35:visa&Itemid=152 )等を御参照ください。
 なお,タイ入管当局は,最近,外国人の長期滞在に関し厳格に対応するようになっているので留意してください。例えば,査証を取得して入国し,その後長く滞在を続ける者に対しては,入管当局に対する90日毎の滞在報告(いわゆる90日レポート)を義務づけていますが,これを怠った場合,出国時あるいは滞在期間延長申請時に罰金を科せられるケースも報告されています。
 
2 タイに入国する場合,「first port arrival」として,タイの第一到着地空港において入国手続きを行い,目的地空港において手荷物の通関手続きを行うことになっています。例えば,日本からバンコク経由でチェンマイに到着する場合は,経由地バンコク(第一到着地空港)において入国手続きを行い,チェンマイ(最終目的地空港)において手荷物の受取りと通関手続きを行うことになります。なお,バンコク~チェンマイ間の航空機は基本的に国内線扱いのため,チェンマイ到着後は国内線の乗客の流れに乗ってしまいがちですが,航空機を降りた後は,必ず「International(国際線)」の表示(案内)に従って進み,荷物の受取り等を行ってください。国内線の乗客の流れに乗ると国際線到着ラウンジで荷物の受取りができなくなってしまいますので注意してください。
 
3 マレーシア北部のランカウイ島から,近接するタイのアダン島へ旅行する際に,国境を越えるにもかかわらず,タイへの入国手続を行わない旅行者がいます。このケースは,たとえ不注意であってもタイへの不法入国となり,タイ警察の摘発対象となりますので本人がパスポートを携行してタイのサトゥーン県の入国管理局に直接赴いて入国手続を行ってください。
 
4 陸路国境の出入国ポイントでは,旅行者がタイ入国時に入国審査の窓口を通り過ぎて,入国審査を受けずに入国してしまったり,窓口で手続を行ったにもかかわらず,担当官が入国印を押し忘れるようなトラブルが発生しています。あとになって入国印がないことに気づいた場合は,入国手続をした入国管理局まで直接赴き,改めて入国手続きを行う必要が生じます。また,気づかずに出国しようとした場合等,状況によっては,不法入国とみなされ罰金が科されます。さらに状況によっては,当局に身柄を拘束される可能性もありますので,特に陸路入国の場合には,その場で入国印を確認するように心掛けてください。
 
5 旅行代理店の中には,「VISA EXTENTION(ビザの延長)を請け負います。」等と宣伝し,「本人はタイに居ながらにして,30日無査証滞在の延長を代行し,パスポートのみ出入国したことにする。」等と説明を受けて,パスポートに偽造のタイ出入国スタンプを押され,タイから出国する際に不法入国とみなされ,当局に拘束・逮捕された事案も発生していますので,そのような業者は絶対に利用しないよう注意してください。
 
6 タイの外貨管理上,持込額については,通貨種別を問わず2万米ドル相当以下に規制されています(これを超えた金額持込時は,スワンナプーム空港入国税関12番カウンターにて申告が必要になります。)。また,現地通貨の持出しは5万バーツまで(例外として,ラオス,ミャンマー,カンボジア等の国境が隣接している国へ出国する場合は,50万バーツまで(参考:2014年4月現在,1バーツ約3円),また外貨の持出しは2万米ドル相当まで可能です。
 なお,出国時に外貨を2万米ドル相当額以上所持していると,タイ国内で労働・収入行為があったとみなされ,課税又は没収される可能性がありますので,そのような場合は,上記のとおり持込額を入国時に申告しておく必要があります。(出国時の申請場所は,スワンナプーム空港の場合,4階VATリファンドオフィス内となります。)
 
7 タイにおいては,薬物犯罪を厳しく取り締まっており,麻薬・違法薬物の所持はもとより,持ち込み,持ち出しは厳禁であり,これに違反した場合には厳罰が科されます。
米,植物,果物はタイ国内への持ち込みが規制されています。
 また,象牙など,ワシントン条約で規定されている規制品及び仏像等の持出しについては輸出証明が必要です。なお,チャトチャック市場(ウィークエンド・マーケット)等で,昆虫,は虫類,小動物を購入して持ち帰ろうとする日本人がいますが,「森林動物保護法」違反として,検挙されるおそれがありますので,事前に保護対象の生物であるかどうかを,タイ税関等に確認する必要があります。
 
8 タイ物品税局では,免税(納税シールのない)たばこの不法所持で当局により摘発された者に対し高額な罰金を科しています。免税(納税シールのない)たばこについては,紙巻きたばこであれば200本(1カートン),葉巻等であれば250gまで,また酒類については1リットルまで免税での持ち込みが認められます。これら免税たばこや酒類等を,規定量を超えてタイ国内に持ち込もうとした場合,税関検査で摘発されると高額な罰金を科せられるほか,物品も全て没収されますので十分注意してください。なお,摘発を不服として罰金支払を拒否した場合や罰金が支払えない場合には裁判となりますが,その間,身柄を拘束されることもあります。
 
 
● 滞在時の留意事項
 
1 麻薬・薬物犯罪
タイ政府は,麻薬・薬物犯罪を厳しく取締まっており,違反した場合の最高刑は死刑となります。
ゲストハウス(安宿)やディスコ等においても,警察が随時取締り・摘発を行っており,禁止薬物を所持又は使用していたため,逮捕され,タイ国内の刑務所で長期間に亘り受刑中の日本人もいます。薬物を所持していた場合には,「他人から中身を知らされずに預かった。」,「禁止薬物とは知らなかった。」等の弁解は通用せず,販売目的所持などとして起訴され,殺人罪よりも厳しい罰則(死刑,終身刑,50年の懲役刑等)が科されますので,安易な気持ちで麻薬・薬物に絶対に手を出すことなく,また他人から荷物を預かったりすることのないように十分注意してください。
 
2 パスポートの携帯等
警察官又は入国管理局職員に職務質問された際,パスポートを携帯していない場合,罰金や身柄を拘束される可能性もあります。パスポート(最低でもパスポートのコピー)を携帯し,職務質問を受けた場合には直ちに提示できるようにしておいてください。
また,タイ警察は,外国人の不法就労に対する取締りも強化しており,労働許可証を得ずに(携帯せずに)就労していた日本人が逮捕された事案も発生しています。30日間の無査証滞在で入国し,30日ごとに出入国を繰り返しながら長期滞在して事実上タイにおいて就労することは違法行為ですので,就労する場合は事前に労働許可証を取得するようにしてください。
 
3 マリンスポーツの注意事項
プーケット等のビーチリゾートでは,モンスーン期(雨季)に海が荒れるため遊泳禁止になることがありますが,禁止区域で遊泳し,溺死する事故が発生しています。波は一見穏やかでも,水中では巻くような流れがあり,足下をすくわれて溺れてしまうので,ビーチに赤い旗が立っているときには決して海に入ることなく,ビーチの係員等の指示に従ってください。また,飲酒後の遊泳も危険です。パタヤ,プーケット等のビーチリゾートで,ジェットスキー,水上スキー,パラセイル等のマリンスポーツについては,タイの法律やレンタル店のルールに従って下さい。
特にジェットスキーをレンタルする際には,業者から料金等の説明を受け,契約書の内容を理解し納得した上でレンタル契約をするようにしてください。
レンタルを終えて返却するときに船体を傷付けた等,高額な修理代金を請求されるケースがありますので,事前に船体を写真撮影する等して船体の損傷状況を確認してください。
ジェットスキー運転中は安全運転を心掛けて,これらマリンスポーツの事故が発生した場合のリスクと自己責任であることを理解した上で,行うようにして下さい。
 
4 交通事故
レンタル・バイクやレンタカーを借りて運転する旅行者等が増えていますが,タイの運転マナー,習慣等は日本とは異なっており,交通事故も発生しています。旅行者でヘルメットを被らずにオートバイを運転中に,カーブを曲がりそこねて転倒し,死亡する事故も発生しています。
特に夜間は,飲酒運転や無謀運転をする者が多く,大変危険です。また,車優先の交通社会のため,道路の歩行や横断に際しては細心の注意が必要となります。日本とはルールも環境も異なることを十分留意の上,現地の人たちがやっているからといって危険な行為は絶対にまねしないようにしてください。
また,車両やオートバイを運転する必要がある場合は,運転免許(国際運転免許)を取得の上,任意保険に加入し,シートベルト,ヘルメットを装着するなど,安全運転に心掛けてください。
 
5 禁煙
喫煙が可能な場所は制限されていますが,2008年2月から更に規制が強化されました。
例えば,公共交通機関や,レストラン,カラオケスナック,バー等のエアコンの効いた屋内飲食店は全面禁煙,公共の建物,ウィークエンドマーケット等は喫煙所を除き禁煙となっています。違反者には最高2千バーツ,店舗等の責任者には2万バーツ(参考:2014年4月現在,1バーツ約3円))の罰金が科されます。また,禁煙令とは別に,路上でたばこの「ポイ捨て」を行った場合は,2千バーツ以下の罰金が科されます。
 
6 家族問題,男女トラブル
近年,外国人と国際結婚をされる方々が増えていますが,なかには結婚生活に破綻を来し,一方の親が他方の親に無断で子供を国外に連れ出してしまうようなケースも増加しており,国際問題になっています。タイにおいても,配偶者の同意を得ずに子供の居所の移動を行った場合には,タイの国内法上,違法な行為とみなされますので,十分ご留意願います。
なお,タイは国境を越えた子の不法な連れ去り等が発生した場合の手続きを定めた「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(ハーグ条約)の締約国です。日本も2014年1月24日に締結し,同年4月1日より発効しています。条約の具体的な内容については,外務省ホームページhttp://www.mofa.go.jp/gaiko/hagueを参照して下さい。
また,男女のトラブルの例として,「交際していたタイ人に宝石をプレゼントしたが,その後,連絡が取れない。」,「結婚を前提に交際していたタイ人に家や土地,車購入の資金を渡したが,逃げられた。」等が発生しております。
 
 
● 風俗、習慣、健康等
 
1 王室関係
タイ国民の国王,王族に対する尊敬の念は深く,刑法上「国王,王妃,皇太子,摂政に対する罪」として刑罰が設けられており,例えば王室を侮辱した場合,3年以上15年以下の懲役に処せられるほか,社会的にも厳しい批判を受けることにつながります。
以前,映画館等で国王賛歌が流れた際,周囲のタイ人が起立し王室に敬意を表す中,起立を拒んだ外国人が逮捕されたことがありますので,外国人旅行者であっても王室に関する言動には十分注意して下さい。
 
2 仏教関係
タイの法律には宗教に関する規定が多く,例えば寺院や儀式を侮辱したり,妨害したりする行為は厳しく罰せられます。仏像は例え倒壊したものであっても神聖なものとされています。仏像の国外持ち出しは禁止されており,無断持ち出しは罰せられます。
また,僧侶は上座部仏教の教義に則し,絶対に女性(子供を含む)に触れたり,触れられたりしてはいけないことになっています。
身体のうち,頭部は神が宿る場所として神聖視されており,頭部に触れることはタブーとされています。子供の頭をなでることもトラブルの原因となります。また,足は不浄とされているので,足裏を第三者に向けて座ったり,間違っても足で人を指すような仕草をしたりするのはやめましょう。
 
3 健康管理上の留意点
タイ国土の大部分は熱帯モンスーン気候に属し,雨期(6月~10月)と乾期(11月~5月)に大きく分かれ,特に3月から5月ごろは一年中で最も暑く,高温多湿であるため,身体的にも精神的にも疲れがたまりがちです。日頃から無理をすることなく,十分な休養と睡眠を取ることが大切です。
 
 
(1)注意を要する病気
【デング熱】
バンコクを含む全土で,毎年多くの感染者・死者が出ています。デング熱は昼間に吸血するネッタイシマカ又はヒトスジシマカを媒介する感染症で,主に雨期(6月~10月)に流行が見られます。2013年には15万人の患者が発生し133件の死亡例がありました。北部チェンライ県,メーホンソン県,チェンマイ県,プーケット県,クラビ県で多くの感染例が報告されています。予防ワクチンはなく,長袖シャツ,長ズボンを着用する等,蚊に刺されないようにすることが重要です。デング熱に感染すると,急性期に発熱,頭痛,眼球深部の痛み,関節や筋肉痛,発疹が現れます。1週間ほどで回復する病気ですが,まれに重症化し,「デング出血熱」となることもあります。このため,流行地を旅行中に急な発熱が現れた場合は,軽視せずに必ず医師の診察を受けてください。
 
【マラリア】
夜間に吸血するハマダラカを媒介とする感染症で,主に雨季(6月~10月)に患者数が増加します。 2013年には1万4千人の患者が発生し9件の死亡例がありました。患者のほとんどが国境を接する県に集中していて,ヤラー県,ラノーン県,ターク県,メーホンソン県,チュムポーム県で感染例報告が多くなっています。2012年に発生した1万6千例を調べた内訳は,熱帯熱マラリアが43%,三日熱マラリアが35%,両者の混合タイプが1%,不明が20%でした。抗マラリア予防薬としてメフロキン又はクロロキンとプログアニールの併用が有効ですが,但し,カンボジア,ミャンマーとの国境付近ではメフロキン耐性熱帯熱マラリアが発生しており,ドキシサイクリンの服用の検討が必要です。いずれの場合も,必ず事前に専門医に相談してください。
 
 
【細菌性下痢及びアメーバ赤痢】 
 細菌性下痢はタイで最も多い病気の一つで全土で発生が見られます(2013年107万例)。原因菌としてサルモネラ属,プレジオモナス属菌,エロモナス属菌,大腸菌が主な原因菌です。 
   一方,アメーバ赤痢は,2013年には3226人の患者が報告され,通年発生が見られます。北部ミャンマー国境に接している県に多く発生しており,メーホンソン県,ターク県,シーサケート県で感染報告が多くなっています。原因のアメーバなど微生物に汚染された飲食物を摂取することで感染しますので注意してください。 
 いずれも日頃から次のことに注意してください。
(1) 飲み水は市販のミネラルウォーターを利用し,外食は衛生的な店を選ぶ。
(2) 生もの(特に魚介類)と氷水は控える
(3) よく加熱したものを食べる
(4) 調理した後は速やかに食べる
  (5)調理場や食器類などは乾燥させておく
  
【腸チフス】 
 2013年には2450人の患者が発生しました。5月から感染者が増加し,7月から8月にかけて最多になりその後減少,12月の感染者が最少となっています。ナラティワート県,メーホンソン県,パッタルン県で感染報告が多くなっています。汚染された加熱不十分な肉類から感染することが多く注意してください。
 
【HIV感染症・エイズ】 
 1989年6%だったセックスワーカーの罹患率が1994年には34%に達し国を挙げての「100%コンドーム使用キャンペーン」の結果2012年には1.6%まで下降しました。性感染症を持つ男性の罹患率は2.3%,妊婦における罹患率は0.5%です。感染者は20歳から39歳までの年齢層が最も多くなっており,感染経路として最も多いのは性行為でですが,薬物中毒患者の注射行為に依るものも多くみられます。感染ルートについて正しく理解し,慎重かつ節度ある行動が要求されています。
 
【狂犬病】
2013年のヒト狂犬病発症例は6例で,全員死亡しています。2012年に赤十字の狂犬病センターに持ち込まれた1583検体のうち155検体が狂犬病ウイルス陽性で,内,犬が90%を占めています。赤十字の医師は2~4%の野犬が感染していると推定しています。万一,素性のわからない犬に噛まれた場合には狂犬病ワクチンによる暴露後免疫が必要ですので速やかに医療機関を受診する必要があります。  
 
【結核】 
 2013年11月までに全土で5950例の新規肺結核患者が発生し,10万人当たり9.37人の罹患率です。更に結核性髄膜炎157例,その他臓器結核(リンパ節,脊椎,骨・関節,腹膜,泌尿器,不明)2601例も報告されています。BCG接種を受けていない場合,感染の危険が高まりますので注意してください。
 
(2)タイの医療環境
バンコクの代表的な私立病院の医療設備は,日本の病院と比べても遜色なく,優秀な医師も多数勤務しています。
また,日本に留学経験のある医師も多く,タイの医師免許を取った日本人医師が勤務する病院もあります。日本人スタッフや日本語通訳者を常駐させている所もあり,日本語での問い合わせも可能です。地方の主要都市の代表的な私立病院も,医療設備はおおむね整っています。
私立病院の医療費はしばしば高額となりますので,渡航前に十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをお勧めします。
 なお,日本語・英語が通じる主な病院の連絡先は(3)を参照ください。
 
(3)主な病院
【バンコク都内】
バンコク病院 0-2310-3000(代表) 0-2755-1666(日本語専用)
バムルンラード病院 0-2667-1000(代表) 0-2667-1500, 1501(日本語専用)
サミティヴェート病院 0-2711-8000(代表) 0-2711-8786(日本語専用)
プララーム9病院(ラーマ9世病院) 0-2202-9999(代表) 
クルアイナムタイ病院 02-769-2000(代表) 
BNH病院 0-2686-2700(代表)日本語窓口:内線2742 
 
【チョンブリ県内】
バンコクパタヤ病院 0-3825-9999 
サミティヴェートシラチャー病院 0-3832-0300 
 
【プーケット島内】
バンコクプーケット病院 0-7625-4425 
 
【チェンマイ県内】
チェンマイ・ラム病院 0-5392-0300 
チェンマイ・ラーチャウェート病院 0-5380-1999 
チェンマイ・ランナー病院 0-5399-9777 
 
(4)煙害(ヘイズ)
  毎年乾期の後半(2月~5月位)頃に,タイ北部各県において,山焼きや野焼きに起因するとされる煙害(ヘイズ)が発生しています。
所により,タイ政府が定める安全基準を大幅に上回る大気汚染が発生しており,
健康被害を引き起こす可能性があります。タイ環境省公害管理局は,地域住民,特に子供,高齢者,気管支等疾患者に対して,煙害が激しい場所における活動は極力避け,外出の際はマスクを着用し,家のドアや窓を閉め,体調不良になった場合は医師に相談するよう注意喚起をしています。煙害が発生する2月から5月にかけては,タイ政府や現地の報道などに注意してください。
 
以上
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