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事例7-1 運転手の労務管理
 

 

関連情報

  • 企業の業種  サービス業
  • 問題のあった時期  1998年頃
  • 場所  バンコク
  • 職種・職務  現地法人社長
  • 資本形態  合弁
  • 従業員数  タイ  100人以下

      日本本社  301人以上

 

A 困難事例の概要

 欧米先進国と異なり交通事情が悪く、日本人が事故にあった時の対応では言葉が障害となり得るタイでは会社が社用車と運転手を手配し、日本人社員は出勤・帰宅の送り迎えやバンコク市内、郊外の取引先訪問に社用車を利用した。日本人社員の自動車運転は禁止し、運転手の管理は日本人社員が責任を持って行う体制にしていた。

 日本本社への帰任辞令が出ていたある日本人社員は、後任者との業務引継ぎ・取引先への挨拶回りで多忙を極め帰宅時間は深夜という毎日が続いていた。そして帰国まで一週間余りとなった土曜日の早朝、取引先から歓送迎ゴルフの正体を受けていたその日本人社員は後任者共々、運転手の運転する社用車でバンコク郊外のゴルフ場に向かっていた。

 高速道路を降りゴルフ場への誘導路に差し掛かった時、自動車は路肩を乗り越えそばの立木に衝突し止まった。早朝で誘導路にほかの自動車が走っていなかったこと、高速道路を降りてスピードを落としていたことなどから、幸いにも人身事故に至らず物損事故で済み日本人社員と運転手は共に軽い打撲だけで済んだ。(事故後、すぐに病院で精密検査を受けたが問題はなく後遺症の心配もなかった。)

 聞けば交通事故の前日も遅くまで仕事を行い日本人社員が帰宅したのも12時過ぎで、運転手はその後自宅に戻ってほとんど仮眠を取る間もなく、日本人社員を迎えに行ったとのことであった。交通事故の直接の原因は運転手の前方不注意であったが、本当の原因は連日の深夜までの勤務による過労・睡眠不足にあったことは容易に推測できた。

 タイ人運転手は時間外勤務手当を期待しており、時間外勤務の依頼を断ると次に依頼されなくなるのではないか、最悪の場合は職を失うことになるのではないかといった懸念から日本人社員の依頼を断りにくい状況にあった。また、長らく世話になった日本人社員の最後の願いでもあったことからタイ人運転手が連日の深夜勤務を断れず、そういった状況の延長線上で起きた事故であったと言える。

 

B 対処概要

  • 会社では事故再発防止の検討をしたが、運転手の労務管理体制に起因することが判明したため当該事故を契機に運転手の深夜勤務や土日の勤務管理を含めた労務管理体制・方法の見直しを行った。

 具体的には日本人社員の行動スケジュール共有化により深夜・土日勤務が続く場合は運転手を特定の日本人社員の専属運転手とせずローテーションで使用することとし、複数の日本人社員が同じような行動をする場合(例:同一業務で深夜業務をする場合、土日に同一方向に行く場合など)は同じ自動車に相乗りをすることで運転手の時間外勤務平準化を図った。

 また形式的になっていた運転手の勤務日誌の管理を厳格化した。運転手は日本人社員の会社・自宅への送迎だけでなく、日中に日本人社員が外出しない場合、メッセンジャーや庶務等の業務を行うことを徹底し会社業務の効率化が図れた。また副治効果として運転手による社用車の私的利用も回避することが可能になった。

 なお、運転手には年一回の健康診断と視力検査を義務付け(診断費用は会社負担)、診断書の写しを会社に提出させた。これにより運転手に普段から健康管理・体調管理に関心を持たせることにもつながった。余談であるが、視力検査をするタイ人は少なく(眼鏡をかけないタイ人が多い)中高年の老眼の進行に気付かないケースが多いため運転手に視力検査を義務付けた。

  • 労務管理体制・方法の見直しに際しては、時間外勤務手当が減少するのではないかと運転手側に抵抗感があったが、事故後すぐに見直しを行ったことと健康診断の義務付けをしたことで健康管理の重要性を再確認でき運転手も納得の上で労務管理体制の改正を行うことができた。

 

C 教訓(知っておくべき情報・知識など)

  • 自動車が動いている間、日本人社員はタイ人運転手に命を預けているということを肝に銘じること。運転手の労務管理はここからスタートする。運転手も生身の人間であり深夜労働や土日勤務が続けばどうしても注意力が散漫になり事故は起きやすくなる。運転手の労務管理をきちんと行うことが事故を回避する第一歩であり結果として自らを守ることにつながることを認識する。
  • タイに派遣される日本人社員でそれまで専属の運転手を使用した経験を持つ社員は少なく、自分がこれだけ苦労しているのだから運転手に時間外勤務をするよう無理を言っても当たり前と勘違いする社員もいる。一方、タイ人運転手は基本給が少なく時間外勤務手当を期待している面もあり多少無理な依頼と分かっていてもはっきり断らないケースが多い。(中には時間外勤務を積極的に希望する運転手もいる)
  • 運転手は日本人社員個人の専属運転手ではなく、会社が雇用する社員であることを認識すること。日本人社員が使用しない場合は運転手は他の会社業務を行うよう行動管理・労務管理を行う必要がある。
  • 運転手の労務管理や制度変更は会社が一方的に変更したり通知したりするのではなく、運転手にもなぜ変更しなければならないか理解を得た上で行うことにより効果が期待できる。また、日中の行動管理についても運転業務以外の業務実績を業績考課に反映させることにより人材の効率活用や会社業務の効率化促進が期待できる。

 

参考資料:財団法人 海外職業訓練組合

 

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