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食品産業における人づくり 12-1
 
(3) スペック管理
異物混入以外にも、揚げ物の形や色合い、焼き鳥の串の打ち方や、焦げ目の付き具合
など、商品スペックを明確に指示しておかなければならない。そのスペックは文書で残
すことは勿論であるが、スペックの許容範囲を写真に撮り、製造現場に掲示して、ワー
カーが見て判断基準の参考になるようにしている。日本の親会社が食品製造メーカーの
場合は、このような写真式徹底方法を多用しているが、食品系以外のメーカーや国内流
通系・商社系のタイ合弁会社は、日本に原型を持たないせいか、そこまで徹底していな
い日系企業が時々見られる。揚げ物を製造する場合、その揚げ色を固定しておく必要が
ある。油で揚げる製品は、日本では「狐色」「黄金色」「金色」「茶色」「黄色」などと表
現している。これを日本語から英語やタイ語に直訳してもタイの人には正確に理解でき
ない。「狐色」とは何色か?タイの人は恐らく狐を見た人はいないであろう。「黄金色」?
揚げ物の表現で「黄金(こがね)色」という表現を我々はよく使うが、揚げ物の美味しい
色は、あの純金のまばゆい黄色ではない。そこで弊社では、日本のユーザーの開発担当
者にタイのOEM 工場までご出張をお願いし、揚げ色とその濃さについて上限と下限の
サンプルを作成して、その中間の揚げ色をOK にする方法を取ったのである。下記に示
すのは上の方に揚げ色の薄い限度を、下の方に揚げ色の濃い限度のサンプルを作成し、
写真撮影したものである。工場現場には、この写真を使ったスペック・ボードを作成し、
形の基準も合わせて掲示している。この結果、鶏肉のフライ製品の不良品率は40%以下
に減少させることが出来たのである。
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